/薬姫/好きのかたち
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*  *  *



 少しずつ。
 少しずつ。
 少しずつ。

 砂時計の砂が落ちるように、息苦しくなっていった。

 窓一つない地下。
 低い天井。
 押し潰されそうに重い空気。


 手首を切ると、少しだけ楽になれた。
 ひつじに毒をやると、自分を殺すことができた。


 ねぇ。
 笑顔でかわさないで。
 あやさないで。
 あしらわないで。



 ───ねぇ!
 変わってしまったのはどっち?



 写真の青い空を欲しがったアタシか。
 アタシを支配しようとした矢矧か。


 変わってしまったのはどっち?









 また。
 会えるかな。


 薔薇をくれた。
 ひつじをくれた。
 ゆびきりをしてくれた。
 あなたに。




 “好き”の。
 別のかたちを伝えに。







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