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「史緒とはうまくいってるみたいだね」
 司がそんなことを言った。それには大きな反感を覚えた。
「…うまく?」
 不機嫌な苛立ちを隠せない声は、当然司にも伝わっただろう。
「冗談じゃない」
 思わずテーブルを叩いてしまった。
「何なんだあいつは。眠らないし食べないし、生きてく気あるのか?」
「史緒は昔からそういう生活してたよ」
「あいつ、まだ16だろ? 成長期も脱してないのに。自分を生かす為の食生活ができないなんて本物の馬鹿だ」
 まだるっこしいので、史緒に無理矢理食わせるために、峰倉さんのところで料理を教えてもらった。
 慣れてくれば料理は調剤と同じだ。栄養学も薬理学と似通うものがある。
 嫌ではない…どちらかといえば性に合ってるからいいものの。
 まさか本当に史緒の面倒をみることになるとは思わなかった。

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