キ
/
薬姫
/無落日
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「ちょうだい」
ぽつり。芯の通った声で恵は呟いた。
「…これほしい。ね? いいでしょ?」
西山は苦笑して、それを取り上げた。
「だめ」
「どうしてっ」
「ネガ無いんだよ。見たいときはいつでも見せてやるから」
「やだ!」
ひつじを抱えたまま、西山の手にあるものを取り返そうとする。
「ちょーだい、ちょーだいッ!! ほしい!」
「こらっ、恵」
「やだっ、ぜったい、もらう!」
「だめだって」
「ぜーったい、ほしい!」
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キ
/
薬姫
/無落日