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 半年後。1998年1月───。
「見つけたわ、この子よ」
 史緒が月曜館へ駆け込んできたその瞬間、私は篤志に千円支払うことが確定した。
 それもこれも、史緒が街中で一度すれ違っただけの人間を、2ヶ月もかけて見つけ出してきたせいだ。
 呆れた。
 A.Co.メンバー5人目。セーラー服姿で事務所にやってきた女子高生、三高祥子。
 史緒はらしくなく、祥子に対してストレートに突っかかる。祥子は祥子で、売られた喧嘩を素直に買うもんだから騒々しいことこの上ない。
 段々と、史緒の挑発に祥子が落ち着いて対応できるようになって、気の利いた皮肉を返してくるようになった。史緒の狙いはこれだったのかと理解した。ただ祥子の本人はまだ、史緒の言動に腹を立てたり苛ついたり恨み言を吐いていたけれど。

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