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「ああ、そう。……うん、わかったよ。落ち着いたらこっちに来てよ。それともどっかで待ち合わせる?」
 受話器に耳を傾ける司はずいぶん楽しそうだ。相手は祥子。向こうの声は聞こえないので、三佳に話の内容は解らない。
「じゃあ、近くまで来たら電話して。…わかった」
 通話を終わらせると司は三佳に向かって言った。
「あっちは一段落したみたいだね。全員揃って、こっちに向かってるって」
「全員って、史緒も?」
「篤志も」
「篤志っ?」
「そう」
 ついさっき、中途半端に知らされたことが頭をよぎる。
「……私はさっぱり解らないんだが」
「祥子も同じこと言ってたよ。僕だってすべてを知ってるわけじゃない。これから説明がある。その時しつこく問い詰めてやればいい」
「主に篤志を」
「そういうこと」
 解ってるじゃないか、と司は肩をすくめる。
「要は、とてつもなく大掛かりないたずらに、大勢が巻き込まれていたという話だね」
 そう言って笑う。巻き込まれていたと言う割には清々しく、どこかほっとしたように。
(巻き込まれていたって、私も?)

 人と人との繋がり。関係の連鎖。
 咲子が想像しなかったくらい、多くの人間を繋げながら。


49話-2- へ続く
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