キ/GM/41-50/44
≪14/20≫
26.12/26(日)20時
三佳は事務所の窓から外を眺めていた。
史緒は今日も帰ってこないのだろうか。篤志もまだ戻ってない。こんな風に待っていることしかできない自分が嫌になる。なにか手伝う、と篤志に言ったけど、おとなしく留守番してろ、と言われてしまった。
(ムカツク)
けれど外に出ればどこへ行っても三佳はただの子供だ。史緒の居場所を聞いて回っても、相手にされないだろう。解っていても、なにもできないことが悔しかった。
「司、前に言ってたな」
「うん?」
「史緒は気に入った人間をとことん守る性格だ、って」
だから僕たちも自分自身を大切にしなきゃいけない。かつて、司はそう言ったことがある。
「…それって、今回みたいなことになるから?」
「そうだね。とてもいい見本だ」
見本、という語彙は不快だった。しかし正して欲しいわけじゃない。司のそういう物言いはわざとだ。
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